フェーズフリーデザインの評価方法
フェーズフリーを着実に世の中へ広め安心で豊かな生活を実現させるためには、フェーズフリーデザインを評価し、伝えることで、正しい認識・理解を促進することが必要である。
フェーズフリーデザインに対する公平で正確な評価があることによって、メーカーやサービス提供者あるいは利用者もフェーズフリーという価値をさらに利用しやすくなる。
フェーズフリーの価値を評価するにあたっては、日常時と非常時における「汎用性」と「有効性」の指標に基づき評価検討を進める。その評価は、以下のような視点で行われる。
「汎用性」の評価:多様なシーンで利用できる特性を指し、評価には5原則の「常活性」が該当する。日常時と非常時を左右に分けて視覚化。
「有効性」の評価:その商品やサービスを「汎用性」以外の価値や効果で評価する項目。評価には「フェーズフリー5原則」のすべてが当てはまる。
フェーズフリーデザインの評価:「汎用性」と「有効性」両方の掛け合わせによる評価。
フェーズフリー5原則と評価項目
汎用性の評価
日常時・非常時の両フェーズにおける「Where:ロケーション」「When:タイミング」「Why:プロブレム」「Who:ターゲット」それぞれの評価を円グラフで表示。上図のフェーズフリー品は両フェーズにおいての評価が高いが、日用品(左下)や防災用品(右下)の場合はどちらかに偏っていることが分かる。
有効性の評価
フェーズフリー5原則を基にした14項目の評価を棒グラフで表示。重要度の違いによって異なる総合点がグラフの太さで表され、その面積の大きさによってフェーズフリー性が視覚的に読み取れる。日用品(左下)は「非常時QOL」、防災用品(右下)は「日常時QOL」が著しく低いことも特徴。
総合的な評価
フェーズフリーの原則に対応した各項目から、「汎用性」と「有効性」の評価を2軸で表すことで、フェーズフリーデザインの評価結果をプロット。適用範囲の検討、認証評価の基準策定、効果的な商品開発の促進へとつなげる。
評価の際には防災用品や一般的な日用品などのベンチマークを置いて、絶対評価ではなく相対的に行う。そのため、異なったジャンルとの単純な評価の比較をすることはできない。
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フェーズフリーデザイン