高密都市である豊島区に2016年にリニューアルオープンした、広く開放的な芝生エリアを有する「オープンハートな公園」。公園運営には住宅(ファースト・プレイス)、職場や学校(セカンド・プレイス)につづく、居心地の良い第三の場所「サード・プレイス」の理念が組み込まれている。 JR池袋駅から徒歩5分で、一年中広がる緑の芝生を中心に木や花々の豊かな自然を感じながら、思い思いの時間を過ごすことができる。
日常時
緑あふれる公園内は自由に過ごすことができるほか、食を介して生産者と消費者をつなぐカフェレストランや、多目的イベント広場、テラスがある。外周の生け垣には真夏用にミストが設置されるなど、都市を安全で快適に楽しむ工夫が数多くちりばめられている。
非常時
池袋駅からの帰宅困難者の一時待避、物資の備蓄、災害対策本部と連携した情報伝達、災害トイレ、カフェレストランによる炊き出し機能が予めデザインされている。また外周ミストや緑に囲まれたフラットな空間により、火災発生時の延焼防止機能を果たす。
カテゴリ
D
被害のレベル
04
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
66 /100点
汎用性

公園としての魅力を高めることで、日常性が高く評価されている。日常時には芝生スペースやカフェを中心にアーバン・リビングとして寛ぐことができ、子どもからまわりのオフィスワーカーまで老若男女が安心して過ごせることから「 Why」と「 Who」が高く評価されている。非常時においては、カフェの炊事設備で炊き出しや、災害用トイレも使用可能となることから「 Why」、ターミナル駅近くでの通勤・通学時に帰宅困難者を受け入れることから「 Who」が評価されている。

有効性評価
75 /100点
有効性

芝生やカフェでの寛ぎや防犯機能の向上などが、「日常時QOL」の高い評価につながっている。また、炊き出し機能や各種防災備蓄品を有し、一時避難所や物資置き場としてもフレキシブルな利用が可能なことで「非常時QOL」にも貢献。芝生をはじめフラットなスペースが多く横にもなれるなど、人に安らぎを与える空間としてデザインの「機能面」と「情緒面」の双方において高く評価されている。公園開発のモデルケースとして、今後にも影響していくことから「開発促進」「新規創生」の評価も高い。

総評

一般的な都心にある中規模の公園の場合は、日常時から訪れる人は限定的であるため汎用性・有効性ともに高くはない。南池袋公園の場合は、日常時から老若男女が訪れ時間を過ごすだけでなく、非常時にもフラットで大きなスペースがあることによって一時避難所や物資置き場などとして活用することができる。非常時の避難場所としては一般的に地域の学校などが指定されているが、大人には縁遠い場所になってしまっている。日ごろから憩いの場としている公園が避難場所としても機能することは、使い勝手の点や精神的安定の点で、効果が期待できる。

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COLUMN
1951年に開園し、1975年の再整備を経て2016年にリニューアルオープン。懸案となっていた安心や安全面を高めるため、大きな芝生スペースやカフェ、すべり台のあるキッズテラスなどを設え、子どもや家族連れが気軽に訪れられる、明るく賑わいのある空間に生まれ変わった。駅の利用者数ランキングで新宿に次ぐ全国2位の池袋駅( 2019年7月JR東日本調べ )にほど近い場所で、地下には駐輪場や備蓄スペースがあり、普段から多くの人が集うだけでなく、災害時における各種機能も設置。近隣に点在する緑や公園などをつなぐ場として、池袋エリアの新しいランドマークとなった。